甲冑の着用法


甲冑の着用方法を、解説していきます。
現在一般的に伝えられている多くの当世具足の着用方法は、江戸の中頃に作られた「単騎要略」という書物が基になっているようです。
この著者は、村井昌弘という江戸時代、すでに甲冑を着るような合戦がない状況で、妄想で語ったり怪談を好んだりして神武を汚しているとした上で、これが正しいのだ!と言う指南本を書いたそうです。

戦国期の着用資料がない以上しげ部もこれに習ってなみるものの、村井さんには怒られそうですが実際着て感じたことや、着つけてもらった時のことなども書き足します。
現実的な現代の自作甲冑の制作と着用の参考にどうぞ!

当世具足着用

まず!トイレは済ませましたか??
一旦着ると、実に面倒ですよ!

では、スタート!

フンドシを着ける

フンドシから初めます。戦国フンドシ

素材は絹はNG、木綿を使用します。冬には2枚合わせのフンドシ、または、その中にもぐさを入れると冬暖かく夏は涼しいそうです。
幅は好みでよし。しかし長さは5尺(約1,5m)と決まっているそうですが、それでは身長によって無理が出ます。自作のフンドシは、さらに途中に紐をつけました。そうしないと間が細くなってしまうのです。

戦国ふんどし

写真の自作戦国フンドシは木綿で縫いました。「成」の文字は、伊達成実ファンなので「成」です。


下着をつける

下着は常服でよいが、胸にはボタンを付け、袖は筒状にする。
写真は着物に半分を切り、袖を別布で付け替えて作った下着(?)です。
この江戸時代の書物に出会う前にすでに縫っていたのですが、着てちょっと動くと胸がはだけてセクシーになってしまいました。
もういいや!現代風で!と思ってスナップをつけたのですが、なんとボタンをつけるよう書いてあります。

甲冑下着


袖は左手から通して下さい。

なぜ?

常に右手右足を自由にしておかないと、敵が襲ってきた時にとっさに動けるから、と、教わりました。
戦国時代はいつ襲われるかわからないのです。


下着は作務衣でもOKです!

小袴を履く

小袴は素材、柄は金襴緞子でも麻でもよいが、7部丈にすること。裁付袴(たっつけはかま)でもよい。左足から履くことが決められています。
裁付袴(たっつけはかま)とはすそが狭まっている袴です。

裁付袴と小袴

小袴は実際に履いて臑当をつけるとすその布がモリモリと邪魔で、しかも動いているうちに臑当から溢れてきます。ゆえに、裁付袴の着用をおすすめします。
袴は甲冑姿の肝になります。色や柄は武将らしく決めたいですね。

足袋、脚絆

軍用の足袋は革製だったようです。革は縫うのに手間がかかるため布で再現しました。
ポイントは現代の足袋よりも足首が長いこと。紐で結ぶこと。

戦国時代の足袋

脚絆の付け方

次に脚絆(きゃはん)を左足につけ、ふくらはぎで結ぶ。正面で結ぶと臑当をつけた時に痛いとあります。
臑当にはすでに布がついているので、脚絆はなくても大丈夫。女性は特に、すね部分がもっこりしていると似合いません。
男性は足をたくましく見せるために、足を太らせるのは有効だと思います。

わらじを履く

草鞋は藁が多いが、丈夫にするため麻の苧(お)=麻の茎?や、茗荷の茎も使ったそうです。
草鞋はよく見ると指は出る構造です。これは、足の指先で大地を掻くように歩くとすべらないからだそうで、痛そうだと思うのは現代人のへなちょこな足だけなのでしょう。左から履きます。

草鞋

臑当(すねあて)をつける

ようやく具足の着用です。臑当の着用
左足から着用し、上の緒から結び、あまりは挟み込みます。きつく締めると痛いし、緩いとずり落ちて、足首にあたって痛い、立挙(たてあげ)が鉄製だと見栄えはよいが、ひざまずくと痛いので亀甲金包がよい、とありますがまさしくその通り!
プラスチックの臑当ですら、足首に当たれば痛いし、正座するのに不便でした。

立挙制作説明

しかしながら、かっこいいのでしげ部では立挙は鉄タイプ(プラスチックですが)です。

お子様用には亀甲の制作方法を指導しています。

亀甲立挙がいいよ、とおっしゃる大人の方には、作り方同封いたします。

佩楯(はいだて)を履く

佩楯の着用は立ち上がり腰で履き、紐は後ろから回して前のでしっかり結ぶようですが、甲冑の着方を教わったところでは、結び目は佩楯の内側で行うよう指導されました。正面から胴を掴まれた時に結び目が解けるのを防ぐためだそうです。

佩楯の付け方

ゆがけを着ける

弓をいる兵士と高級武士のみ着用したそうです。現代の弓道のゆがけとは異なり、刀を振るったりしやすいようおそらくは現代の手袋に近い形だったと推測されます。革で出来ています。
ゆがけだけは、右手から着用します。

ゆがけは右手から

左手から着けるとただでさえ利き腕でないのに手袋をつけたあとでは右手を着けるのは大変だから。

手作り手袋

写真は現代風布手袋です。
足袋と同じ布で作ってみました。
本来もっと手首は長くするようです。
ゴム手袋くらいの感覚です。

籠手(こて)を着ける

籠手の着用

籠手は再び、左手より装着のこと。胴と鞐(こはぜ)で止めるタイプは先に胴につけたあとで着用のこと、とあります。さらに、袖も胴につけておくので、一緒にまとめるには、以下の図のようにします。

紐で結ぶ合籠手もの(しげ部はこれを採用)、ボレロジャケット状の富永指貫籠手(とみながさしぬきこて)が着やすいです。
籠手の布も武将らしくカッコいいものを選ぶと良いです。

指貫籠手

脇引(わきびき)・満智羅(まんちら)を着ける

腋を守るための脇引、もしくは首、胴の上部、腋を全て守る満智羅を着用します。
甲冑キットでは省きました。作りたい方は、ご相談下さい。型紙をお作りします。

具足を着ける

いよいよ大詰めです!
右膝を立てて中腰の姿勢で右脇の開いた状態の甲冑を左腕から通していくのが作法とされています。

具足の付け方

本物(現代レプリカ)の甲冑着用の際には重たいので誰かに手伝ってもらうか、座って着用する、
もしくは肩上と胴をつなげた状態で胴の片方を開いて、ずぽっとかぶるのが一番手っ取り早いです。一人の場合はこの時に袖も肩上に繋げたほうが楽です。着たらサイドの紐(高紐)を締めて、帯を結びます。

高紐を結ぶ

帯を巻く

帯を巻きます。プラスチック甲冑は体への負担は軽いですが、それでも長時間着ているのは疲れます。帯を巻いて後で団子を作り胴を乗せます。肩が少し浮いた状態であればOKです。特に重たいレプリカ甲胄の着用にはこの方法をおすすめします。

甲胄の帯のまき方
作法の指南書にはありませんが、こうすれば腕も動きやすく、疲れません。団子を隠すために、上からもう一度帯を巻きます。
体にあった甲冑がベストです。大きすぎたり小さすぎると体への負担が大変になってきます。団子を作らなくても甲冑を肩でぶら下げるのではなく、腰で着るように帯は胴を持ちあげるように結びましょう。
刀を差す方は少し余裕を持って結びます。

甲冑の帯の締め方

腰刀を差し、太刀を履く

今のところしげ部では刀の自作方法はありません。外へ持ちだしても問題ないレプリカは1万円くらいで販売されています。2〜3000円で販売されている模造刀の紐やさやを塗り直したりして自分好みのカスタマイズするのもよいでしょう。
しげ部流腰刀差し方

腰刀の差し方

刀は鍔があるので帯に差すだけでも引っかかって落ちない。刃は上を向くように差します。

鉢巻を着ける

3尺(約1,5m)の手拭(てぬぐい)幅の布を後頭部から額で引違て後で結ぶ。あるいは前から額を覆って後で結ぶ。色は浅葱か柿色が良いとされる。
ここで大事なのは、髪の毛が額や頬に当たらないことです。髪の長い方はバンダナでもいいので髪の毛が顔に当たらないようにして下さい。

鉢巻の着用

陣羽織を着る

陣羽織をお持ちの方はここで羽織りましょう。袖がじゃまになって着づらいので、一人での着用には袖口が大きく開いたものがよいです。大袖の場合は、陣羽織の着用はしません。

面頬、喉輪を着ける

喉輪のみは首からぶら下げる。面頬はずれない程度に紐で調節して顔に当てる。兜の緒で落ちないようになるので緩くても大丈夫です。
メガネ武将の方は、面頬は諦めて下さい。無理です。

面頬

兜を着ける

最後に兜を被りますが、緒の締め方は兜の仕様にもより色々で、緩んではいけない、きつすぎては口が開かない事になります。飾りや撮影などには綺麗な丸紐が映えますが、実際の着用には平紐が顔にフィットして痛くありません。

兜着用

紐の結び方は、兜製作キットにあります。

甲冑着用

出陣後のお手入れ

しげ部のプラスチック甲胄は、艶アリは水に濡れたら必ず水分を拭きとって下さい。シミになります。
肩上と胴を外して、脇の紐(高紐)をほどいてぺたんこにしてしまって下さい。飾っておくスペースのある方は、各自甲胄台等をご用意の上、飾って下さい。
ハンガーにぶら下げますと、肩がくにゃっと曲がってきます。
レプリカ甲胄はそれぞれのしまい方に従って下さい。

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